No.8 Lemuria
9.kyuu 処方箋
LANDSCAPE AROMAに使用される精油の歴史と特徴
No.8 Lemuria (レムリア)
東洋の架け橋
西から東へ集められた溢れる香り
Ylang-ylang:Lavender:Patchouli
・Ylang-ylang (イランイラン)
科名:バンレイシ科
精油抽出部分:花
芳香:フローラルでエキゾチックな、甘く重い香り
イランイランというのは、フィリピンの地方の言葉で「そよ風に揺れる花々」という意味の「アランイラン」から由来しています。インドネシア東部のモルッカ群島の人々は花を摘み、ココナッツオイルに浸して作ったboori-booriというクリームを、特に雨季に蔓延する感染症や熱病予防に体に塗ります。肌を潤し、若返りにも良く、海で泳ぐときには海水から保護するために、髪にもつけます。
イランイラン油は官能的な香りを特徴とし、そのホルモンバランスを整える作用と催淫作用は、心身をリラックスさせ、精神を高揚させる作用があります。恐れや不安感があったり、内向的な性格ゆえに潜在的な官能性を押しとどめてしまったりする人に向いています。
肌に対しては皮脂のバランスを整え、オイリー肌にも乾燥肌にも有効です。頭皮に対しては強壮・刺激の両効果があり、育毛を促進します。
・Lavender (ラベンダー)
科名:シソ科
精油抽出部分:花の咲いた先端部分・葉
芳香:ウッディーな基調のフローラルでかるく、くっきりとした香り
ラベンダー油はアロマセラピーで最も広く使用される精油の一つで、この植物は古い時代から治療に使われていました。また、ローマ人はラヴェンダーの消毒作用を尊び、これを浴槽に入れて沐浴し、創傷を洗いました。実際、英名のラベンダーのもとになったラテン語lavareは、「洗う」という意味です。
ドイツの哲学者・思想家のルドルフ・シュタイナー(1861-1925)は、ラベンダーは物質体・エーテル体・アストラル体の三つを安定させるとし、心理的な不調を癒す効果があると唱えました。
ラベンダー油は、神経の緊張を和らげ、気の流れを良くし、パニックやヒステリーを落ち着かせます。また、高い血圧を下げて心拍を鎮めます。不眠症に効果的なことは昔から広く知られています。肌に対しては、新しい細胞の成長を促すとともに皮脂分泌のバランスを整え、様々な肌タイプに効果をもたらします。
・Patchouli (パチュリ)
科名:シソ科
精油抽出部分:若い葉と枝
芳香:甘くて温かい土を連想させるスパイシーな香り
パチュリという名は「緑の葉」を意味するヒンドゥー語のpacholiに由来します。19世紀にインドさんの織物やショールに香りづけに用いられたため、その名が広まりました。パチュリ油は持続するベースノートがあり、天然の香りとして最適で、年月とともにその香りが芳しくなる数少ない精油の一つで香水には大切な成分です。
パチュリはマレーシア、中国、日本では何世紀にもわたって伝統医療に用いられてきました。消炎作用と収れん作用があり、皮膚炎や腸炎、下痢に適しています。また、殺菌作用があることから、薫香として焚かれたり、軟膏の成分として用いられたりして、熱病や伝染病の蔓延予防にも使われてきました。防虫剤や虫刺されの薬として今現在も広く使用されています。
パチュリ油は土を思わせる香りのオーラがあることから、心に対して現実にしっかり足をつけ、バランスをとるように促します。邪気を払い、理解力を研ぎ澄まし、直面する問題を客観的に考え、解決する力をもたらします。
パチュリ油はゆるんだ肌を引き締め、過度な食欲を抑えると考えられ、ダイエットにも有益です。
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参考文献:
アロマテラピーのための84の精油(1992/12/10)
ワンダ・セラー (著), 高山 林太郎 (翻訳)
スピリットとアロマテラピー 東洋医学の視点から、感情と精神のバランスをとり戻す(2000/12/25)
ガブリエル モージェイ (著), 前田 久仁子 (翻訳)
アロマテラピー〈芳香療法〉の理論と実際 (1985/8/30)
ロバート ティスランド (著), 高山 林太郎 (翻訳)
ハーブの魔術(2001/10)
マーガレット ピクトン (著), 佐藤 美保 (翻訳), 森川 由実子 (翻訳), 田中 瑞恵 (翻訳), 山口 香 (翻訳)