<9.kyuu の星のお便り>vol 4 


美しいバランスを見出す 平等とは?

 

最後の審判

ミケランジェロ・ディ・ロドヴィーコ・ブオナローティ・シモーニ

Giudizio Universale
Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni

 

 

目次


1
) アート作品の中に星空を探すVol.4「最後の審判」

2) 2020年 乙女座新月と秋分図の星空

3) 美しいバランスを取るための内省:逆行期間の過ごし方

 

 

1) アート作品の中に星空を探す Vol.4「最後の審判」

 

第1回と第2回のコラムでは、これからのアクエリアス時代のテーマとなる 〈自由・平等・友愛〉 のうちの〈自由〉と〈友愛〉を。そして今回は、乙女座の新月と天秤座のシーズンにぴったりのテーマ、〈平等〉​についてお話させていただきます。

さて、何故ぴったりかといいますと...

 

〈平等〉のみなもとを辿ると、古代ギリシャの思想、あるいは中世キリスト教の教えにまで遡 ります。今でも裁判所などに行くと、ギリシャ神話に登場するアストライアーという女神の像 が立っていたりします。あらゆる悪行がはびこった地上で人々に正義を訴え続けていたその女 神は、地上を去ったあとに乙女座の星座となります。アストライアーは、人々の魂の〈善〉と 〈悪〉をはかる神聖な道具、天秤座となった天秤を持っています。天秤座は正義を愛し、平等 となる一点はどこなのか?をストイックに探すために揺れる星座です。実は弁護士バッチの中 心にも、天秤が描かれているのですよ!

 

 

 そこで今回の絵は、14世紀から16世紀に起こったルネサンスと呼ばれる古代ギリシャや古代ローマへの精神面での回帰の時代の中で活躍し、後世にも大きな影響を与えているイタリア の芸術家ミケランジェロ・ブオナローティの代表作、バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の祭 壇壁画『最後の審判』を選ばせていただきました。

 

現在〈平等〉と聞けば、法の下の平等といったように人間がもたらすイメージが強いのです が、この時代、キリスト教の教えでは、神の前の平等です。

 

幅12メートル、高さ14メートルにも及び、​一人の人間が描いた絵では最も大きいこの絵に 描かれているのは、イエス・キリストという神の前で、死者の魂が生前の善悪よって〈平等〉 に裁かれている新約聖書の最後の『ヨハネの黙示録』に記された預言のシーンが描かれています。

 

さてさて、どんな星空が見つけられるのでしょうか?


❸ ガブリエル ヨハネの黙示録の一節。「 第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃え ている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。この星の名は 苦 よもぎと言い、水の三分の一が 苦よもぎのように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死 んだ 」の 苦よもぎを、ウクライナ語ではチェルノブイリと言うそうなのですよ。なんとも意味深ですね。。。
❺ 皮剥ぎの刑で殉教した12使徒の一人、バルトロマイ〔魚座〕 がいます。彼が持った皮の顔は、ミケランジェロ の自画像とも言われています。そんなミケランジェロは魚座なのですが、なぜ、彼はこの姿に自分を投影したので しょうか。。

 

 

初期のキリスト教徒が隠れシンボルとして用いた、ΙΧΘΥΣ{イクスース}と呼ばれる魚の形の シンボルによって、​❶ イエス・キリストと魚座を関連付けて考える人もいます。12使徒のうち の4人が元漁師であったり、聖書にはなにかと魚にまつわる話が多いのです。イエスが人類の罪の身代わりとなり十字架に架かったということから、自己犠牲や愛というテーマを持つ魚座 のイメージが浮かびあがってくるのもうなずけます。

 

そんな魚座の真向かいにある星座は乙女座です。乙女座の女神アストライアーは、星空の神と 暁の女神の娘で、青い空色のローブを着ています。❷ 聖母マリアが青い衣装を着ているのは、​中世でマリアが乙女座とされていた背景があるからなのです。

 

 

ラッパを鳴らし死者の魂を甦らせているのは、蟹座を支配している月の天使❸ 大天使ガブリエル、このラッパは7度鳴らされるのですが、1度鳴るごとに天変地異が起こり、最後のラッパ が鳴った時に最後の審判を迎えると言われています。

 

ガブリエルのラッパで甦えった死者の魂が、天国に昇るのか?地獄に堕ちるのか?を決める天使は、獅子座を支配している太陽の天使❹ 大天使ミカエルです。人間の魂を秤にかけるための天秤を持っているミカエルですが、この絵の中では、リストが載った小さな書物を広げ天国に昇る魂はどれか? を伝えています。ミカエルの持った天国に昇る側の書物よりも、 隣の天使が持った地獄に堕ちる側の書物の方が大きいのは、なんとも苦々しい気分となりますね...

 

『最後の審判』では、キリストから見て右には天国に昇る〈善〉の魂、左には地獄に堕ちる 〈悪〉の魂が描かれています。英語の〈right〉の〈右〉や〈正しい〉という意味にも聖書が関係しているのです。

 

 この絵を見ていると、イエス・キリストの人類に対する愛の象徴である心臓​を中心にした十字架と、その両端から天秤の皿が吊り下げられているような構図が浮かび上がってきます。

 

21歳頃までは “目に見える部分” の身体が成長する時期​ですが、それ以降...4​ 2歳ごろまで は、 “目に見えない部分” のココロが発達する時期​です。〔42歳以降はスピリット...精神が発達する時期です〕

 

転んだり指を切ったりと、身体で直接痛い思いをしながらも、食べることや眠ることで成長が できてきたように、自分のココロで痛い思いをしながらも、美しいものに触れたり人を愛することで成長してゆきます。

 

現在はたくさんの情報が向こうからやってくる時代です。これから風の時代に入ると、ますます情報が飛び交うようになるでしょう。人と人、モノとモノなど2つの間にある〈平等〉という一点を探す際、それらの情報は、痛みもなくスピーディーかつスマートに、指し示してくれるのかもしれません。

 

 

けれども天秤座はその『最後の審判』を、自分で体験し成長させてきた自分の中にある〈美しさ〉〈愛〉という基準で決める星座です。あくまでも最後は自分の中心、心臓といったココロで秤のバランスを取りながら、自分自身でその一点を見つけるのです。

 

魚座と乙女座、また善と悪、そんな対極にある2つの要素を、片側に偏らせることや対立させることで解決するのではなく、傷つきながらも磨かれた美しさや愛の基準でバランスを取るレッスンにチャレンジしてゆきましょう。

 

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2) 2020年 乙女座新月と秋分図の星空

 

 

9月17日の20時00分に、乙女座での新月が起こります。今回の新月では、どんな花を咲かせる種が蒔かれるのでしょうか? ホロスコープを眺めてみましょう。

 

 

アセンダントは牡牛座で、牡牛座の支配星の金星は4ハウスの獅子座にあり、天王星と9 0度、海王星と144度の角度をとっています。乙女座26度で起こる新月は5ハウスにあり、11ハウスの魚座の海王星とオポジション、その緊張に対して山羊座にある天体 が、9ハウスで調停の角度をとっています。木星は水星とタイトにスクエア、土星は火星 とスクエアです

 

見える世界の中でも社会を表す木星と土星、また土星よりも外の見えない世界を表す天王星と 冥王星とが、山羊座や牡牛座といった地の星座に滞在しているこの一年ですが、そこに加えて 個人を表す太陽と新月が乙女座に滞在、またアセンダントとMCも地の星座、と言うことで 〈モノ〉に対して関わる動きや向き合う意識が強くなります

 

牡牛座は、個々がこの世を生きるために必要な〈モノ〉を持ちます。

乙女座は、個々で育ててきた〈モノ〉を社会で使うために整えます。

山羊座は、社会で〈モノ〉を完成させるために枠外の夢を捨てます。

 

取捨選択とは、不必要な〈モノ〉を捨て、必要な〈モノ〉を選ぶことです。見える〈モノ〉と いった地の時代が終わり、見えない〈気〉といった風の時代が近づいています。乙女座新月の際、風の時代に不要となるものは何なのか?最終段階の整理をしてみると良いでしょう。

 

またこの時期は、故郷や地域、国の美しい伝統や文化に丁寧に触れていくような集まりに出かけたい衝動が増えます。そこで得た感覚で自分だけのオリジナルな〈モノ〉をクリエイトしたい!というワクワクした遊び心が湧いてくるでしょう。

 

それはカタチのある〈モノ〉ではあるけれど、触れると時空を超えた一大パノラマが飛び込ん できたかのような、独特の衝撃を受ける魅惑的な〈モノ〉かもしれません。そのためスピリッ トを磨くような仲間と繋がりたくなります。自分の内面に集中することが多くなり、社会や他者の問題に無関心になる傾向も出てきます。

 

ホロスコープの360度全ての度数に秘められているエネルギーが特殊な力でリーディングさ れ、詩のように表現されているサビアンシンボルというものがあります。サビアンシンボル は、+1度で読むのですが、今回の新月は乙女座の26度〈香炉を持つ少年〉で起こります。

 

乙女座の26度から30度は、ザ・ 弟子” ​です。祭壇のそばで香炉を持って神父に仕える少年 は、崇高な場に関わることから学びを始めてゆきます。宗教や哲学の道に入り、来世を見越し たような永遠の何か、真理そのものを求め始めるというイメージです。

 

ただ向かいにいる海王星によって、詐欺に遭わないか? 依存してしまわないか? という緊張も 生まれやすくなります。目に見える世界と見えない世界の美しいバランスを見つけるには、宙の智恵とコンタクトを取って生きていた過去の時代にヒントを探すことで、そういった緊張感が和らいでいくでしょう。

 

これからの社会の中で出逢う人と共に生きてゆくための義務やその公平さ...〈平等〉についての話も活発になる時期です。個人の挑戦が社会のルールに押さえつけられ、心ここに在らず... 少し隠遁的な気分になりがちな今のタイミングを活かし、〈平等〉についてカルマのレベル?!?! で探るのも面白いかもしれません。

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

3) 美しいバランスを取るための内省 : 逆行期間の過ごし方

 

 

 

9月30日までは、木星を除いた火星より外側の惑星の5天体が逆行します。逆行は、バランスを崩し、成長を停滞させている歪んだ捉え方の癖を気づかせてくれます。内省するには良い タイミングです。

 



火星の逆行では、挑戦してゆくテーマの歪みや行動の癖。
土星の逆行では、達成のためのルールの歪みや思考の癖。
天王星の逆行では、改革のためのアイデアの歪みや癖。
海王星の逆行では、理想のためのイメージの歪みや癖。
冥王星の逆行では、再生のためのスタンスの歪みや癖。

 

 

実はミケランジェロの出生のホロスコープでも、土星、天王星、海王星、冥王星が逆行しています。芸術作品を創るなど内省を伴う行為には、逆行の時期が適していると言われたり。

 

9月30日には土星、10月4日には冥王星順行に戻ります。山羊座に集中している天体が、バランスを取れた状態で年末へと向かっていければいいですね。10月14日からは今年3回目の水星の逆行も始まります。水星の逆行では、コミュニケーションの歪みや癖に気づくことができるでしょう。




『ピエタ』 ミケランジェロ自身は、自分の本業は彫刻と言っていましたが、絵画や建築の才能も持っていたので「神の手を持つ 芸術家」と称されています。1498~1499年に制作されたピエタは、最も美しいといわれるミケランジェロの彫刻作品です。死んだキリストを抱えるマリアの悲しそうな様子が見事に表現されています。

 

 

 

 

今回はミケランジェロの『最後の審判』の絵の中にある星空と、乙女座新月と天秤座シーズン の星空の動きを眺めてみました。ミケランジェロの太陽は、今回の新月が起こる乙女座26度 のほぼ真向かい、魚座25度にあります。魚座25度のサビアンシンボルは、〈宗教的な組織がゆがんだ実践と物質化した理想による崩壊的な影響を、克服することに成功する〉です。多くの人の精神や魂に影響を与えている見えないものを浄化するといったエネルギーを放っています。

 

さらに現在魚座の20度にある海王星とほぼ同じ位置にミケランジェロの火星があります。そのサビアンである魚座の19度は〈自分の弟子に教える巨匠〉。弟子がここでも出てきましたね !

 

今回の新月に蒔かれた乙女座の太陽の種は、恒久的な世界との関わりの中で生きていることを知る入り口に立ち、そこで感じたものを絵や彫刻などのカタチある〈モノ〉の中で再現しよう、というエネルギーを持っています。半年後の乙女座の満月の際には、地上で生きる世界の人々を浄化させるような〈モノ〉を創ったミケランジェロをイメージさせるような花を咲かせていることでしょう。

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------







あなたはプレアデスの鎖を結ぶことができるか。オリオンの綱を解くことができるか。 あなたは十二宮をその時にしたがって引き出すことができるか。 北斗とその子星を導くことができるか。 あなたは天の法則を知っているか、そのおきてを地に施すことができるか。

『ヨブ記』の第38章 31 33 の一説 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

次回の9kyuuの星のお便りは、 パブロ・ピカソの作品の中に星を探します。

 

 

美術家 田谷美代子

印刷会社勤務の傍ら、子どもとの自然体験の場や絵本教室に通う。 絵を描くための哲学の必要 性を感じ、渡独にて人智学、その後占星術に出会う。 国内、フランスのギャラリーにて作品の 出展や、本の装丁、プロダクトパッケージなどを手がける。 また、現在子どものアートワークショップの開講に向け準備しております。

 

 

9kyuu Creative Director / Designer SAYAKA HAMADA 9kyuuのクリエイティヴディレクター / デザイナーであり、数年前よりミツバチの生態やアー ト、占星術、人智学、自然哲学、民俗学などを学んでいます。

 

 

 

今回のキーワード

乙女座♍️、魚座♓️、天秤座♎️、

 

星座の持つそれぞれのエネルギーを感じる?!

<COSMICCUBE>

色や香りを体感しながら、天秤座シーズンをご自分なりにお楽しみくださいませ。