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子供のアレルギーをきっかけに家族の食生活を見直す|9.kyuupartnerコラム

翻訳家 / Yamaguchi Hanae //

 

産後、息子に乳・卵・ピーナッツのアレルギーがあることが発覚したことをきっかけに普段の食事を見直すことになりました。アメリカでは保険制度の関係でアレルギー科を受診するのも年に1回程度、基本的には母である私に日々の管理が託されました。当初は慣れない除去食作りに苦労は多かったものの、食事を見直すようになって様々な気づきを得られるように。

目次

  1. アメリカは意外に代替商品や植物性ミルクが充実している
  2. ヴィーガンになったつもりで食を見直してみる
  3. アメリカで日本の植物性食品の良さを改めて知る
  4. 朝食は楽して手作りオーガニックパン
  5. 時々昔ながらの食生活「一汁一菜」に立ち返る

アメリカは意外に代替商品や植物性ミルクが充実している

 

 

離乳食を始めて間もない頃に、食事の後、口の周りや肌全体が赤くなったり、蕁麻疹が出たり、そんな症状をきっかけにアメリカのアレルギー科を受診しました。検査結果は「乳・卵・ナッツ」が陽性。チーズやバターが大好きな私はガツンと頭を殴られたようにショックでした。ただし、アメリカの田舎は日本のように便利なコンビニやスーパーマーケットの美味しいお惣菜がなく、大して美味しいレストランも周りになかったので外食の頻度が元々多くなかったことは救いでした。要は基本的に手作りしていれば、あまりアレルギーのことが気にならないのです。

オーガニック製品を数多く取り揃えるスーパーマーケットでは、ヴィーガンのお客さんも多いこともあり、乳製品の代替商品がものすごく充実していました。(驚いたことに卵の代替商品さえもありました。)ヴィーガンチーズやヴィーガン用の肉(テンペなど)、また植物性ミルクに関してはフラックスシードミルク、豆乳、ライスミルク、アーモンドミルクなど様々な選択肢がありました。いずれもオーガニックであることが多く、小さな子供に与えるにはとても安心感がありました。

また健康志向の意識の高まりもあってか、どこのスーパーマーケットに行っても、お豆腐が手に入ります。大学生の頃、アメリカを訪れたときとはだいぶ様変わりしていました。



ヴィーガンになったつもりで食を見直してみる

 

ドイツとアメリカに暮らしていたとき、それぞれヴィーガンの友人がいました。昔、ヴィーガンの友人がいなかった頃にヴィーガンと聞くとストイックで食べ物に対する許容範囲がものすごく狭いと勝手に思っていましたが、むしろ友人たちはその予想を覆してくれました。二人に共通するのは料理がとても上手なこと。そしてドイツ人の友人はドレスデン市内にあるいくつかの美味しいヴィーガン料理レストランに連れて行ってくれました。「これって本当に植物性の材料だけで作られているの?」とヴィーガンのキッシュやスープ、ハンバーガーを頂いたときにびっくりしました。息子のアレルギーが発覚するまでは、お肉や魚、乳製品を使ったほうが味にコクが出やすいしと思っていましたが、必ずしもそうではないということを体感しました。

息子は幸い食欲が旺盛でよく食べるので、小さい頃から食事の作り甲斐がありました。アメリカやイギリスなど英語圏のレシピにはヴィーガンやベジタリアンのものが充実しているため、美味しそうなレシピを見つけてはトライするようになりました。想像していた以上に乳も卵もなくても作れるものが多いことにびっくり。

誕生日のケーキもリンゴ酢などの酢と重曹を合わせることで起きる化学反応を利用してふっくら焼き上げることも可能ですし、牛乳の生クリームがなくても市販の豆乳クリームや簡単に手作りできるココナッツクリームなども美味しく頂けます。ポタージュやスープも市販のコンソメなどを使わずに昆布だしなどを利用していました。ちなみにかぼちゃのポタージュなどはココナッツオイルを使って材料を炒めてると香りも良くなり、甘い味わいが一層楽しめます。



アメリカで日本の植物性食品の良さを改めて知る

 

息子が小さい頃はよく原因がわからずに食後口の周りが赤くなる、なんてこともありました。そこでかかりつけ医に相談すると、中には牛乳がダメな子は牛肉、卵はダメな子は鶏肉に対してもアレルギーを起こす子がいるという話を聞きました。後々、息子は全く問題なく食べられていましたが、当時は初めての子供ということもあり、過剰に心配してお肉を除去した時期もありました。

そこで代わりに豆腐やテンペなど肉の代わりになるものをよく代用しました。味噌汁や煮物はもちろんですが、料理上手な友人に振舞ってもらう食事やヴィーガンレストランから様々なアイディアをもらい、色々試して見ました。中でも豆腐ナゲットは息子にとても評判がよかったです。ブレンダーで豆腐とツナやタラなどの魚、それから小麦粉と醤油、塩などを適当に混ぜて揚げるだけです。

私たちが暮らしていたニューヨーク州にはサラトガスプリングスというニューヨーカーの避暑地として、また競馬で有名な街があり、そこにあるFour seasons natural foods cafeというヴィーガンカフェが私のお気に入りでした。その豆腐ナゲットもそこで食べたものから、アイディアを得て作ってみたのですが、他にもひじきと豆のサラダや豆腐のバルサミコソース和えなど昔から私たち日本人にとって馴染みのある植物性の食材をふんだんに使っているので、行く度にいつも学びがありました。



朝食は楽して手作りオーガニックパン

 

パンに関しては、ヨーロッパで暮らしていたときには作ったことが全くありませんでした。近くに美味しいクロワッサンやバゲッドが帰るお店がいっぱいあり、またパンを作る時間の余裕はないほど忙しく動き回っていたからです。

しかし、ニューヨーク州に移ってからはパンのクオリティが今ひとつということが多く、ついにホームベーカリーを購入しました。そして子供がパン好きということもあってシンプルなパンを頻繁に作るようになりました。中でもアメリカで知ったお気に入りのレシピがあります。「No knead bread(ノー・ニード・ブレッド)」、日本語に訳すと「捏ねないパン」です。2006年ニューヨークタイムス紙に掲載されて以降、世界的にも話題になり、日本でも捏ねないパンのレシピ本などを書店でみかけるようになりました。小麦粉と塩と水とイーストを混ぜて冷蔵庫で長時間寝かせ、丸めて少し放置して、あとはじっくり焼くだけです。外側はカリッと中はもっちりしていて本当に簡単かつ美味しいのでオススメです。材料はオーガニックの小麦粉、塩を厳選すれば、安心安全なパンをアレルギーっ子もそうでない家族も一緒に楽しむことができます。

朝は焼くだけの状態に準備しておけば、美味しい朝を迎えられます。それと、夜の間にホームベーカリーで生地を作り、一次発酵まで済ませて、二次発酵を冷蔵庫で寝ている間に行うと、これまた朝焼くだけ済みます。しかも、冷蔵発酵する方がもっちり美味しくなるような気がします。



時々昔ながらの食生活「一汁一菜」に立ち返る

 

昨年末、日本に本帰国して以来、便利でパンを作ったり、調味料を一から手作りしたり、そういった丁寧さはだいぶ減りましたが、なるべく海外で学んだシンプルで安心な手作り料理を心がけています。4歳になり、アレルギーも軽減してきた息子ですが、まだ油断はできず、乳製品には注意が要ります。しかし、小さいうちに甘いお菓子の代わりにおせんべいやドライフルーツなどに慣れ親しんだのはかえって息子の健康のために良くてラッキーだったかもしれない、とポジティブに捉えるようにしています。

卵が大丈夫になった今はオムライスやハンバーグなど子供が好きそうな料理のメニューも増えて、息子は嬉しそうですが、毎日重めのものが続くとなんとなくもたれます。そんな時は昔ながらの「一汁一菜」を取り入れます。ニューヨークの紀伊国屋で以前、料理研究家の土井善晴さんの著書「一汁一菜でよいという提案」を手にとって以来、胃や肌の調子が悪くなったり、料理に疲れたりしたときはその基本に立ち返っています。また、子供が便秘になったり、風邪を引いたりしたときにシンプルな和食を用意すると気のせいかとても食べが良いのです。やはり日本人には和食が一番合っているんだなあと感じます。

子供のアレルギーをきっかけに、食への好奇心の幅が広がりました。徐々にアレルギーが軽減している息子ですが、この経験をきっかけに家族の健康と食の安全には引き続き関心を持って行きたいと思います。

著者のプロフィール: 山口 華恵 Hanae Yamaguchi

東京女子大学 文理学部英米文学科卒業後、大手製薬会社、外資系PR会社および日系PR会社で広告・広報業務に携わった後、夫の仕事都合でベルギー・ドイツ・アメリカ(ニューヨーク州)で約10年間生活を送る。現在は夫と4歳の子供と茨城県つくば市に暮らし、フリーランス翻訳者およびPRコンサルタントとして活動。現在、ヨガジャーナルオンラインおよびmadameFIGARO.jp(フィガロジャポン)の翻訳を毎月レギュラーで担当している。本サイトでは、海外での子育て経験や国内外の暮らしの中での学びやヒントについてコラムを執筆。